営業職とはどのような仕事で、どのような人が営業職に向いている人なのか、そして向いていない人の特性を解説します。
しかし、営業という職業は、トレーニングによってスキルを磨くことが可能です。
ここから述べる方法で、向いている人は、ますますのスキル向上を、そして現在向いていない傾向の人は、能力を向上させるトレーニングを実践してみてください。
営業職ってどんな仕事？
営業の仕事とは
営業の仕事とは、企業の製品やサービスを顧客に対して提案し、その売り込みを行うことを主な業務とします。そのためには、企業の製品やサービスの特徴を理解し、顧客のニーズに合った提案が求められます。具体的には製品のデモンストレーションやプレゼンテーション、契約交渉、アフターサービスなども営業の範疇に含まれます。
そして、営業職に求められる力とは、高いコミュニケーション力、説得力、交渉力が求められます。また、顧客との長期的な関係を築くためには信頼関係を構築する能力も必要とされます。そのためには、誠実さ、耐久力、対人スキルといった人間力が重要となってきます。さらに、自己管理能力も求められるでしょう。営業は目標達成のために自分自身を管理し、計画を立て、その実行に向けて自発的に行動する必要があります。
以上が大まかな営業の仕事と営業職に求められる力になります。次に、具体的にどのような人が営業職に向いているのか、また向いていないのかについて詳しく見ていきましょう。
営業職に求められる力とは
営業職に求められる力の特徴は主に4つに分類されます。
1.コミュニケーション力:特に保険や不動産、メーカーといった商品の営業では、顧客との信頼関係を構築し、長期的なビジネスを展開するために、相手の立場を理解し、適切な言葉で伝える能力が求められます。
2.問題解決能力:顧客の課題を見つけ出し、自社の製品やサービスでどのように対処できるかを提案する力が重要です。
3.交渉力:スマートに自社の利益を最大限に引き出すためには、価格や契約条件などを顧客と交渉する力が不可欠です。
4.持続力:営業は一度の成功ではなく、継続的な努力が求められる仕事で、失敗を恐れず、常に前向きに取り組む性格が求められます。
これらの力を磨くことで、営業職のパフォーマンスを向上させることが可能になります。
営業職に向いている人の５つの特徴
営業職は一人一人の人間力が直接結果に反映される職種であり、そのため、特定の特性を持つ人が向いていると言われています。ここでは、営業職に向いている人の5つの特徴を解説します。
【1】物事を論理的に考える人
商品やサービスを扱う営業職に求められる重要なスキルの一つが、「物事を論理的に考える」能力です。
これは、様々な情報を整理し、顧客に最適な商品を提案するために必要な能力であり、その特性が性格として現れることもあります。例えば、商品やサービスの特性を理解し、顧客のニーズや市場の動向を踏まえた上で、スマートな提案を行うことが求められます。また、論理的に物事を考え、それを明確に伝えることは、顧客との交渉や説明においても大きな力となります。営業職として働く人々は、このような論理的思考力を日々の業務を通じて磨いていきます。論理的に物事を考えることが苦手な人でも、経験や研鑽によってこの能力を伸ばすことが可能です。
【2】自己管理ができる人
「自己管理ができる人」は、商品やサービスを扱う営業職に特に適しています。
自己管理能力とは、自分自身の時間や目標を適切にコントロールする能力を指し、これはスマートに仕事を遂行する上で必要不可欠なスキルとなります。営業職は、顧客との信頼関係を築くことが重要であり、そのためには時間管理や目標達成が求められます。
自己管理能力のある人は、時間を有効に使い、目標に向かって計画的に動くことができます。これは、どの業種の営業担当者でも同様で、自分の時間を適切に管理し、優先順位をつけて仕事をこなすことができます。また、自己管理能力が高い人は、自己目標を設定し、それに向かって努力することで成果を上げることができます。
さらに、自己管理能力が高い人は、自分自身をコントロールすることができ、ストレスや困難に対処する能力も持ち合わせています。これらの能力は、営業職の業績を大きく左右するため、自己管理能力は営業職にとって非常に重要なスキルと言えます。
【3】人の話を引き出す会話ができる人
成功する営業職の特徴として、商品やサービスを扱う際に、顧客から話を引き出し、彼らのニーズや悩みを深く理解する能力が挙げられます。
これは、スマートな提案を行い、長期的な信頼関係を築くために不可欠なスキルです。会話の中で人の話を引き出す方法として、オープンエンドの質問が有効とされています。質問の例としては、「どのような問題に直面していますか？」や「どのように解決したいと思っていますか？」などがあります。これにより、顧客は自己の考えや感情を詳細に語る機会を得ることができます。
加えて、リスニングスキルも重要で、相手が話している間、積極的に耳を傾け、理解し、適切な反応を示すことが求められます。
営業職に適している人とは、このように人の話を引き出す会話ができる人、つまり、彼らの性格や特徴が相手の信頼を勝ち取り、長期的な関係を築くことができる人のことを指します。
【4】相手目線で考えることができる人
の営業職で特徴的な成功要素は、相手目線で考えることができる性格を持つことです。
これは、顧客のニーズや問題を深く理解し、その特徴に対応した最適な商品やサービスを提案できる能力を指します。単に自社の商品を売り込むのではなく、顧客が何を求め、どのような困難に直面しているのかを予測し、それに対応する解決策を提供することが求められます。
このスキルは、営業だけでなく、あらゆる業種で役立つ能力であり、顧客満足度の向上や長期的な関係構築に寄与します。また、相手目線で考えることができる人は、交渉や問題解決にも有効であり、営業成果の向上に大いに貢献します。
そのため、自己管理能力や論理的思考力と並び、営業職にとっての重要な特徴の一つと言えます。
【5】準備や根回しを怠らない人
営業職における特徴的な性格の一つとして、「準備や根回しを怠らない」人物が挙げられます。
この性格が仕事の成果にどのように影響するのかを理解することは、営業職に向いていない人の特徴を把握する上で重要です。
営業の場で、商談やプレゼンテーションの成否は、その前段階での準備の質に大きく左右されます。情報収集から資料作成、リハーサルまで、一貫した努力を続けることができる人は、営業職に適していると言えます。
さらに、根回しとは、事前に関係者と調整を行い、商談の進行をスムーズにする行為です。これを怠らないことで、顧客からの信頼を得られ、長期的なビジネス関係を築くことができます。
このような詳細な準備や粘り強さが、営業職における重要な特徴であり、その性格が営業職に向いているかどうかを判断する一助となります。
営業職に向いていない人の特徴
成功するための特性やスキルは多岐にわたりますが、特に営業職に向いている人の特徴は何でしょうか？ここでは、営業職に向いている人の5つの主要な特徴について説明します。これらの特性は、営業職で成功を収めるために必要な基本的なスキルを反映しています。
自己管理が苦手な人
「自己管理が苦手な人」は特徴的な性格を持つ人と言えます。これは、商品やサービスを扱う営業職だけでなく、働く人にとって大きな課題となります。
なぜなら、どのような職業であっても自身の時間を適切に管理し、自己判断で日々の業務を進める能力は社会人として信頼を得るために最低限ともいえる必須のスキルだからです。特に営業職では、計画性や自制心が不足していると、新規顧客の開拓や提案、契約までの一連の流れを自己管理することが難しくなり、結果的に営業目標の達成が困難になります。そのため、自己管理が苦手な人は、まずは自己管理能力を高めるトレーニングから始め、自己成長を図ることが重要です。自己管理力を磨くことで、営業職やメーカー業界での成功の可能性を広げることができます。
行動までに時間がかかる人
行動までに時間がかかる人」も営業職に向いていない人の特徴と言えます。営業は、常に時間との戦いであり、迅速な対応が求められる職業です。顧客のニーズを察知し、それに即座に対応する能力は、営業職にとって絶対に欠かせないスキルです。そのため、行動までに時間がかかる人は、営業職には向いていないかもしれません。
しかし、同じように行動に時間がかかる方でも、時間をかけて行動する人であれば、その特性が営業においては向いている可能性があります。行動までに時間がかかるという性格は、計画性や慎重さを示すものでもあり、この特性を理解し活かすことで、営業職でも十分に活躍することが可能です。自分の行動スピードを自覚し、それを改善するためのトレーニングに取り組むことで、新たな成功を掴むことができます。
気持ちの切り替えが苦手な人
営業職における成功の鍵となるのが、感情のコントロールです。
特に、営業では、客の拒否や困難な状況に遭遇することも少なくありません。こうした状況で心が揺さぶられ、気持ちの切り替えが苦手な人は、営業の場で苦戦することが多いでしょう。その性格が影響し、次のアポイントメントや顧客との関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、スマートに感情をコントロールできる人は、営業の場においてもメーカーのように新しいチャレンジに挑み、前向きな姿勢を維持することができます。
したがって、気持ちの切り替えが苦手な人は、感情管理のトレーニングをすることが一つの解決策となります。感情を適切にコントロールすることができれば、営業職での成功の可能性は大いに高まります。
体力がない人
体力がないと感じる人は、営業職をこなすのが大変であるかもしれません。
営業職は物理的な移動が多く、また精神的なストレスも伴うため、ある程度の体力が必要とされます。営業トークや商品説明の長時間に耐え、顧客とのコミュニケーションを維持するためには、一定の体力が求められます。体力がないと感じる人は、営業職をこなすのが大変であるかもしれません。
営業職に向いていない人がやるべきトレーニング
営業職に向いていないと感じる人も、適切なトレーニングによりその弱点を改善し、成功への道を切り開くことが可能です。ここからは営業に向いている人が自然にできているように見える能力を身につけるため、今からできることをご紹介します。
成功するトークスクリプトを作成
営業職に特徴的なスキルがなくとも、成功するトークスクリプトがあれば、ある程度の成果を生み出すことができます。
ここからは、成功するトークスクリプトの作り方をお教えします。
まず第一に、顧客の問題点や要望を把握することが大切です。これを達成するためには、事前の市場調査や情報収集が欠かせません。次に、あなたの商品やサービスがどのようにその問題を解決するのか、クライアントが納得できるように明確に伝えることが必要です。そして、自分自身の言葉で一貫したストーリーを作り上げることが重要です。これにより、顧客に信頼感を与え、理解を深めることができます。さらに、顧客の反応に応じてスクリプトを柔軟に変更することも重要です。いくつかのパターンを作成しておくことで、顧客の反応に応じながら最適な提案を行うことが可能になります。最後に、反復練習を行い、自然な会話の流れを作り上げましょう。これらのステップを踏むことで、営業職が向いていない人でも営業の仕事で成功するトークスクリプトを作成することができます。
営業ロープレ
営業ロープレは、各種業界で活用されている訓練方法の一つです。
これは、営業職に向いているかどうかに関係なく、自身の能力を向上させるのに効果的な手段です。ロープレとは、実際の営業シーンを想定し、役割を割り当てて行動を再現することで、特徴的な性格や反応を把握し、スキルを磨く練習方法のことを指します。
具体的には、自分が営業マンとなり、同僚や上司が顧客役となって会話を行います。この過程で、自分の話し方や説得力、反応の速さなどを客観的に評価し、改善点を見つけ出すことが可能です。また、顧客の反応や質問に対してどのようにアプローチすれば良いかを練習し、営業スキルだけでなくコミュニケーション能力や問題解決能力も鍛えることができます。ただし、ロープレは一人ではなく、周囲の人々と協力して行うものです。そのため、積極的に他の人を巻き込んで行うことが大切です。
話しているところを動画で撮影
「話しているところを動画で撮影」することは、あなたの特徴やクセを見つける上で欠かせないトレーニングで、全ての業界で有用です。
動画撮影を通じて、あなたがどのように話し、どんな表情をしているのかを客観的に確認できます。また、自分の話し方や表情だけでなく、話す内容もチェックできます。これにより、早口だったり、話すスピードが速すぎるなど、自分の癖や改善点を見つけられます。さらに、自分がどのように見えているかを知ることで、相手に対する印象をコントロールできます。自分が会話の主導権を持っているか、あるいは相手に導かれているかも確認できます。
このトレーニングは、自己分析に非常に役立ちます。あなたのスキルを客観的に評価し、必要な改善を行うことで、より効果的な営業活動が可能となります。
とにかく実践！場数をこなす
営業に向いている人が挙げることが多いトレーニングが「とにかく実践！場数をこなす」です。
これは、性格やスキルだけでなく、営業職にとって重要な要素です。お客様ごとに違うニーズを把握するためには、とにかく経験を積むことが欠かせません。場数をこなすことで得られる経験は、どのような状況でも対応できる力を身につけるための土台となります。また、場数をこなすことで、自己管理能力や話を引き出すスキル、相手目線で考える力など、営業に必要な能力を磨くことができます。営業が苦手な方でも、とにかく実践することで、自分の弱点を改善し、自身の営業力を上げることが可能です。
経験は最良の教師です。とにかく行動し、場数をこなすことが成長の鍵となります。
【その他】マインド変化で営業に向いている人になる
営業職では、自己モチベーションを維持し続ける力が求められます。厳しい目標や高いプレッシャーの中で、自分自身を高め続ける意志やこれまでのマインドを変えて行動する力が必要です。
具体的に、どのようなマインド変化を起こすことで営業に向いている人になるのかを解説します。
プライドを捨てる、自分自身を高める
営業能力を身につける上で、自身のプライドを捨てることが重要です。
営業は、自分の意見やアイデアを顧客に伝え、その結果として契約を獲得する仕事です。しかし、自分の考えが全て正しいと思い込むと、顧客のニーズや意見を無視することになり、結果として契約に至らない可能性があります。また、プライドが高すぎると、失敗から学ぶことが難しくなります。営業はトライ＆エラーが重要であり、失敗から学び、自分を改善していくよう謙虚な気持ちを持つことを大切にしましょう。
強い意志を持ちと努力を重ねる
営業職には、数字や目標等を達成するための強い意志と努力が必要です。
営業は一筋縄ではいかない場面が多く、途中で挫折してしまう人も少なくありません。しかし、強い意志を持ち、常に前向きに取り組んでいれば、必ずや結果はついてきます。また、営業スキルを身につけるには、日々の積み重ねが必要です。一日の終わりに自身の行動を振り返り、反省点を見つけ、次の日に生かすことが大切です。
相手とのコミュニケーションを大切にする
営業職においては、顧客とのコミュニケーションが重要な役割を果たします。
そのため、自分の考えを明確に伝える話す力を磨くことは必須です。しかし、話す力とはただ雄弁に話すことだけを指すのではありません。相手の意見を尊重し、理解し、それに対応するための適切な言葉を見つけられる能力も含まれます。
コミュニケーションが苦手と思っている人は、相手の話を聞いたり、相手の立場を慮ることが苦手な傾向にあります。まずは相手の目をしっかりみて、「売る」「買ってもらう」のではなく、「相手を知る」ことに重点を置いてみましょう。
営業に向いていなくてもトレーニングで改善できる
「営業に向いていない」と思うあなたも、トレーニング積み重ねることで、その特徴や性格を改善することが可能です。実は、営業に向いている人と感じる方も、実は知らないところで自分なりにトレーニングを積み重ねた上で今の成果に繋げているかもしれません。
そのため、例え今時点で、自己管理が苦手だったり、行動までに時間がかかる人でも、トレーニングを通じて自分の弱点を知り、それを改善することが重要です。また、場数を踏むことで、気持ちの切り替えが自然にできるようになることも増えます。
営業は才能だけではありません。地道なトレーニングに取り組むことで、営業職に向いていないと思っていた自分が、確実に変わっていくのを感じるでしょう。